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ITスキル標準(ITSS)とは

ITスキル標準(ITSS)の構成と人材育成の関係
ITスキル標準(ITSS)は、各種IT関連サービスの提供に必要とされる高度な専門知識と技術を持つITプロフェッショナル人材の育成を目的として作成された指標で、経済産業省が策定し、情報処理推進機構(IPA)が管理する、IT人材に必要なスキルを体系的に整理した指標です。

ITスキル標準(ITSS)策定の背景と目的
以下のような課題を解決するためにITスキル標準(ITSS)が策定されました。

1. IT化の進展と高度化するITスキルへのニーズ

2000年代初頭、インターネットの普及や企業のIT投資拡大により、社会全体におけるIT化が急速に進展しました。それに伴い、企業は、従来のITスキルに加え、より高度なITスキルを持つ人材を求めるようになりました。しかし、当時存在していたITスキルに関する指標は、体系的に整理されておらず、企業が求める人材像を明確に示すことができませんでした。
2. 人材育成の効率化と客観的な評価基準の必要性

企業は、自社の事業内容や課題に合ったIT人材を育成するために、様々な研修や教育プログラムを実施していました。しかし、これらの研修や教育プログラムの効果測定や、個々の能力を客観的に評価する基準が確立されていませんでした。そのため、企業は、効率的な人材育成と客観的な評価基準を必要としていました。
3. キャリアパス形成支援とグローバル競争力強化

IT人材は、キャリアパス形成においても課題を抱えていました。当時、IT業界におけるキャリアパスは明確に示されておらず、個々のスキルや経験を活かせるキャリアパスを形成することが難しいため、IT人材の離職率も高くなっていました。また、グローバル化が進む中で、日本企業は海外企業と競争するためにも、国際的に通用するITスキルを持つ人材を育成する必要がありました。

ITスキル標準(ITSS)の活用と効果
ITスキル標準(ITSS)の活用と効果のポイントをご紹介します。

ポイント.1
人材育成の体系化と目標設定
ITスキル標準(ITSS)は、企業が必要とするITスキルと能力を明確に定義し、それに基づいて計画的な人材育成を行うための指針を提供します。これにより、従業員は自分の職種・専門分野・キャリアパスに沿ったスキルを効率的に習得することができます。
また、必要なスキルと現在のスキルレベルとの差異を明確にし、そのギャップを埋めるための目標を設定することできるようになります。
ポイント.2
スキル評価の透明性と公平性
ITスキル標準(ITSS)を導入することで、企業は従業員のスキルを客観的かつ公正に評価する基準を持つことができます。これにより、評価プロセスの透明性が向上し、従業員のモチベーションを維持することができます
ポイント.3
競争力の強化
IT分野は技術の進化が速く、常に新しいスキルが求められます。ITスキル標準(ITSS)は、企業が最新の技術トレンドに対応できる人材を育成するためのフレームワークを提供し、結果的に企業の競争力を強化します 。
ポイント.4
適切な人材配置
ITスキル標準(ITSS)に基づいて従業員のスキルを評価することで、各プロジェクトや業務に適した人材を適切に配置することができます。これにより、プロジェクトの成功率が向上し、業務効率が改善されます 。
ポイント.5
教育・トレーニングプログラムの最適化
ITスキル標準(ITSS)は、教育機関やトレーニングプロバイダーが提供するプログラムの内容を最適化するための基準を提供します。これにより、従業員が実務で必要なスキルを効率的に習得できるようになります 。
ポイント.6
技術変化への迅速な対応
技術の変化に迅速に対応するためには、従業員が最新のスキルを習得し続けることが重要です。ITスキル標準(ITSS)は、企業が継続的なスキルアップを推進し、技術変化に対応するための基盤を提供します 。
Step.1
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ITスキル標準(ITSS)の構成

ITスキル標準(ITSS)では、ITサービスの分野を11職種35専門分野に分類し、それぞれの職種・専門分野において求められるスキルを7段階のレベルで体系化しています。
ITスキル標準(ITSS)の構成

ITスキル標準(ITSS)で定義される職種

職種
説明
マーケティング 顧客のニーズに対応するために、市場の動向を予測・分析し、ビジネス戦略を企画・立案します。
また、市場分析を通じて得られた情報を活用し、ビジネス戦略の投資効果、新規性、顧客満足度に責任を持ちます。
セールス 顧客の経営方針を確認し、課題解決策の提案やビジネスプロセスの改善支援を行い、製品やサービスの成約につなげます。同時に、顧客との良好なリレーションシップを築き、顧客満足度を向上させます。
コンサルタント 顧客に対して経営戦略やビジネス戦略、IT戦略に関する提案や助言を提供します。これにより、顧客のビジョンや戦略の実現、課題解決をサポートし、IT投資における経営判断を助けます。提案の価値や効果、顧客満足度、実現可能性に責任を持ちます。
ITアーキテクト ビジネスおよびIT上の課題や要件と適合したITアーキテクチャを設計し、顧客のビジネス戦略を実現します。設計が課題に対するソリューションを構成し、開発や導入の実現可能性を確認します。同時に、情報システムが満たすべき基準を定め、実現性に対する技術リスクを事前に評価します。
プロジェクトマネジメント プロジェクトの提案から終結までを計画し、実行・監視・コントロールを実施します。計画された成果物やサービスに対して、要求された品質・コスト・納期に責任を持ちます。
ITスペシャリスト  顧客の環境に最適なシステム基盤を設計・構築・導入します。同時に、構築したシステム基盤の非機能要件(性能、回復性、可用性など)に責任を持ちます。
アプリケーションスペシャリスト 業種や一般的な業務において、アプリケーション開発やパッケージ導入に特化した技術を利用し、業務上の問題を解決するためのアプリケーションの設計から保守までを行います。構築したアプリケーションの品質についても責任を持ちます。
ソフトウェアデベロップメント マーケティング戦略に基づく市場向けのソフトウェア製品を企画し、仕様決定や設計、開発をします。上位では、ソフトウェア製品に関連するビジネス戦略を考えたり、相談に応じたりします。開発したソフトウェア製品の機能や信頼性などに責任を持ちます。
カスタマサービス 顧客に最適なシステム基盤となるハードウェアやソフトウェアを導入し、カスタマイズ、保守、修理します。同時に、顧客のシステム基盤を管理・サポートし、IT施設の設計や運営も担当します。導入したハードウェアやソフトウェアの品質にも責任を持ちます。
ITサービスマネジメント サービスレベルを設計し、顧客と合意した基準(SLA)に基づいて、サービスレベルを設計し、システムが安定して動作する責任を持ちます。システムの安全性や信頼性、効率性を向上させ、サービスレベルを保ち、向上させるためにシステムの運用情報を収集・分析し、システム基盤管理も含めた運用管理を行います。
エデュケーション 担当分野の専門技術を使って、ユーザーが必要なスキルを身につけるための研修プログラムを作成し、実施・評価します。
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ITスキル標準(ITSS)を導入する際のポイント
失敗しないためのポイントをご紹介

1. 導入目的の明確化

組織のビジネス戦略や目標に沿ったITスキル標準(ITSS)の導入目的を明確にします。
なぜITスキル標準(ITSS)を導入するのか、ITスキル標準(ITSS)を導入することでどのような効果を期待するのかを明確にすることが重要です。
2. 情報共有

ITスキル標準(ITSS)導入の目的やメリット、導入プロセスについて社内での情報共有を徹底し、社員の理解と協力を得ることが重要です。
また、経営層の理解とサポートを得ることで、ITスキル標準(ITSS)導入の重要性を全社的に認識させ、全社員の協力を促します。
3.制度や仕組みの整備

ITスキル標準(ITSS)を活用した人材育成や評価を行うためには、制度や仕組みを整備する必要があります。
例えば、ITスキル標準(ITSS)に基づいた人材育成カリキュラムを開発したり、ITスキル標準(ITSS)を指標とした人材評価制度を導入したりすることが必要です。
4. 継続的な改善

ITスキル標準(ITSS)導入後もPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回し、常に改善を図る姿勢を持つことが大切です。
5. 管理ツールの導入

スキルの評価・管理を効率的に行うためのツールやシステムを導入します。これにより、スキル情報の一元管理や進捗状況の可視化が可能となります。

まとめ

日本では、プログラマ→SE→プロジェクトリーダといったキャリアパスが一般的ですが、多様化、深化している顧客ニーズに応えていくためには、それぞれのソリューションや新たな技術分野のプロフェッショナルを育成していく必要があります。
また、ITスキル標準(ITSS)を効果的に活用することで、様々なメリットが得られますが、多様な職種・業務におけるITスキルを網羅しており、体系が複雑で分かりにくいという課題があるため、ITスキル標準(ITSS)の専門家に相談することも有効です。

ITSS+(プラス)とは

ITSS+(プラス)は、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が策定した、IT人材のスキルアップのための指針で、ITSS(ITスキル標準)を補完するものとして、「データサイエンス領域」「アジャイル領域」「IoTソリューション領域」「セキュリティ領域」について策定されました。
従来のITスキル標準(ITSS)が対象としていた情報サービスの提供やユーザー企業の情報システム部門の従事者のスキル強化を図る取組みに活用されることを想定しています。
活用事例

ITスキル標準の活用ツール

SISJIN(エスアイエス・ジン)は、強力なスキル管理機能を持つタレントマネジメントシステムです。IT人材のスキルや能力を「ITスキル標準」に基づいた評価項目の設定を行い、ITプロフェッショナル人材の育成を図るための目標や計画を策定することができます。